令和元年1級建築施工管理実地試験問題
問題2
次の1.から3.の建築工事における仮設物について、設置計画の作成に当たり検討すべき事項を、それぞれ2つ、留意点(注意すること)とともに具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、申請手続、届出及び運用管理に関する記述は除くものとする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
1.荷受け構台
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事業者は、作業構台を組み立てるときは、組立図を作成し、かつ、当該組立図により組み立てなければならない。
安衛則575の5
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高さ二メートル以上の作業床の端には、手すり等及び中桟等を設けること。
安衛則575の6
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荷受け構台の設置位置は、クレーンとの位置関係に注意し、材料の取込みがしやすい場所に計画する。
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盛替えが必要な場合には、盛替え作業の作業性を考慮して、位置と形状を計画する。
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跳ね出し式の荷受け構台の場合は、風の吹き上げに注意する。
建築工事安全施工技術指針・同解説9.1
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事業者は、作業構台の構造及び材料に応じて、作業床の最大積載荷重を定め、かつ、これを超えて積載してはならない。
安衛則575の4
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積載荷重は、クレーンが1回の揚重で揚重可能な重量を基準とする。構台の面積に応じて割増する。
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荷受け構台を構成する部材は、積載荷重の偏りを考慮して検討する。全スパンの60%に積載荷重が偏っても大丈夫なように設計する。
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作業荷重は、自重と積載荷重の合計の10%として計算する。
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同じ足場の建地に、複数の荷受け構台を設置する場合、複数の荷受け構台に材料が積載された状態を想定して計画する。
JASS2_4.6
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荷受け構台には、墜落事故を防止するために手すりを設ける。落下物による事故を防止するために、巾木を設置する。飛散物による事故を防止するために、飛散防止ネットを設置する。
建築工事安全施工技術指針9.1
建設工事公衆災害防止対策要綱26
2.鋼板製仮囲い(ゲート及び通用口を除く)
アドフラット 日本セイフティー㈱
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前面道路に設置する仮囲いは、道路面を傷めないように、ベースにH形鋼を使用する。
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仮囲いは、隙間がないように計画する。場内の砂埃や水が、外部に飛散を防止するため、仮囲いの下端の隙間を巾木等でふさぐ。
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仮囲いの外観を検討する。近隣の美観を損なわないように配慮する。
JASS2_4.1
3.工事用エレベーター
ロングスパンエレベーター(幅3m≦)
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積載物の最大荷重に応じた、定格荷重の機種を選定する。
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積載物の最大寸法に応じた、荷台面積の機種を選定する。
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作業に必要な最大揚程高さで設置が可能か確認する。
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搭乗者の人数を検討する。
建設機械施工安全マニュアル
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昇降路内立入禁止。金網等で養生し、周知し、表示する。
建設機械施工安全マニュアル
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1階エレベータ前に、エレベータの床と同じ高さのステージを設けて、動線の段差をなくすように計画する。
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昇降路に接する建物の部分は、施工が後回しになるので、工事用エレベーター解体後の未施工部分の工程に留意する。